後の祭り
今回は小説風。
只今午前5時。
何だか不思議だ。
お嬢様から許可をいただき、妹様とゲストの小兎姫さんと一緒に鍋パーティに行ったのは覚えているのだけれど、料理を口にした途端気持ちが和らいで眠ってしまったとしか覚えていない。
天井はどう見ても、紅魔館のものではないし。
確か集合場所がユキの家だったから…
此処はユキの家か。
まぁ、そんな事より私は早く帰らないといけない。お嬢様が待っているから!
私はそう思ってベッドから下りようとするが、その時隣にいたのを見て目を疑い、下りるのを躊躇った。
隣で寝ていたユキが殆ど裸に近い状態で寝ていたからだ。
誰かの足音がする。
私だとは疑われたくない。
いや、自分じゃない。
だけど、見られたくはない。自分の娘がこんなすがt…いや、むしろ娘じゃなくてもいいからとりあえず成長した姿を見ていたくなった。
「あら、起きましたか」
突然声がした。
嫌な予感しかしない…場合によっては誤解を招くかもしれない。それでお嬢様達に迷惑がかかると思ったら胃が痛い。
なので、隠せる所は極力両手で隠しながら、その声の主を探す。
「私は此処にいますけど」
気配が背後に迫ってきたので、そのまま後ろを向く。
そこには、兎耳をつけた小兎姫さんが立っていた。
「どうしてこんな所にいるの!?あと、その耳はどうした」
不審に思って聞くと、普通に答えてくれた。
「料理の中に動物になる薬が入っていたみたく、兎になってしまい…その後遺症です。なので、仕事は休みました。という事で、家にも帰れなかったので睡眠薬を飲んでしまったユキさんが一度起きた時に泊まっていいよと言われたので…あ、一応風呂には入れましたから、その服ですよ」
そう聞いて私は今さっき気がついた。
普通に、寝間着着ていたんだって。
「今さっき、気づいたのですね。」
小兎姫さんが、すました顔で言う。
「ど、どうして分かったの!?」
まるであの悟妖怪みたいじゃないか。
「この耳、心の声が聞こえるようになっているのですよ。」
成る程。…いやいやそういう事じゃなくて…どうしてそんな耳で聞こえる…いや、どうしてユキがこんな姿なの!?
「それについては、そこに置いてある紙を見て下さい。」
「は、はぁ…」
それにはこう書いてあった。
咲夜へ
いつもお疲れ様。もしかして薬が入ってて寝たのかなぁ、と思っていたら疲れてて眠くなったのだと紫から聞いたら、びっくりしちゃった!
お姉様にこの事話したら、今日位は休ませましょう!って言ってたから、ユキちゃんの家でゆっくりしてたらいいよ!但し、許可が出たらだけど。
あ、家事については大丈夫!今日は私、夢月さんと一緒にやってみる!
何事も挑戦、でしょ!
ではでは、また明日。
と、書いてあった。妹様がまさかこんな事を思っていただなんて…嬉しくて涙が出る。
でも、下を見ると、それはあっさり消えた。
P.S. 咲夜の使ったお椀の中には媚薬が入ってたみたいだよ。オレンジは分からなかったらしいから、怒らないでね。
…妹様の言うことならば、それは信じるけど…
「やっぱり私かよぉぉぉおおおお!!!」
「ユキさん起きますよ!?」
「ふわぁ…おはよ…って…」
「あ…」
「「うわぁあああああああ!?」」
えんど